無責任な自分を棚に上げて、悪い事はすべて世の中や他人のせいにする。
とくに現今考えなければならないことですね。そねみの心、これが人間の最も汚い心です。これを仏教では瞋恚(しんに)の心と言います。他人の幸せをねたむ最低の心です。自分の事を棚に上げて他人の欠点をあばきたがるのも人の世の常といえます。瞋恚の心がなくなればそれ1つでもその人は聖人と言われ、妙好人と言われるでしょう。
このお大師さまのお言葉も他人の欠点を暴き人の足を引っ張る汚い心を戒められたものです。
自分の膏こう(難病)を治療しないで他人の足に出来た腫れ物をとやかく批判するのは主客転倒もはなはだしいと言う事で何よりも早く自分の病を癒す事が先決であり自分が身心共に健康であってこそ他の事について物が言えるのです。
南無大師遍照金剛